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創業融資経験者へインタビュー「飲食業・バー経営 未経験での開業準備と開業後」

開業職種の中でも特に人気の高い飲食業経営。
今回は未経験から創業融資を利用してバーを開業された女性経営者の方に、創業までの動きと感じたことを伺いました。


―バーの経営をされるまでは、どんなお仕事をなさっていたのですか?

はい、美術品や骨董品の営業をしていました。仕事柄県外での出張で週の半分以上は自宅に帰れず、体力的にも精神的にも苦しかったために、50代を前に退社することにしました。

退社後も当然収入を得続けるために創業を思いつきましたが、40歳を超えた女の身ひとつだったので出来ることは限られていました。
そこで特殊な技能や資格のいらない飲食業を創業しようと思い、調理の経験もなかったので飲食業の中でもお酒の提供に特化したバー経営を選びました。安易な選択でしたが当時は情報を集める術も少なく、知識不足で選択肢があまりなかったのです。


―なるほど。開業を決めてからの動きを教えてください。

まず退社の時期を決めてから、店舗選びと融資を借りるため金融機関の選定に取り掛かることにしました。

飲食業の経験がなかったため店舗選びの基準も分からず、考えても仕方ないと割り切って、自宅から近かった事と何となく人通りが多いという理由で店舗を決めました。
店舗の契約をした時にはまだ退社前だったために店舗の賃貸契約は比較的スムーズで、この点は良かったと思います。退社後であれば、賃貸契約は難航していたでしょう。
3週間ほどで店舗が決まりここまではスムーズに進んだのですが、大変だったのはこの後、融資に関してです。ここには大きな労力と時間を費やしました。


―融資を受けるためにどう動かれたのですか?

まず、融資を受ける金融機関を決める為に、近所の3つの地方銀行へ行きました。金利は同じくらいだったので、他の着目点がよく分からずに結局「担当者が一番熱心」という理由である地方銀行に決めました。ただ後々、融資の決定までにこの担当者の方にはかなりのご尽力を頂いたので、結果としては正解だったと思います。

銀行から融資を受ける際には、信用保証協会からの保証が必要です。保証を受けるにあたっては申請書など様々な書類や資料を提出する必要がありますが、中でも事業内容の説明や、資金繰りの計画などを示し、融資の決定を左右する重要な書類ですから、しっかり作成する必要があります。

私の場合は
「特に飲食業未経験という点が大きなハンデになるので、経営計画書を綿密に作り込まなければいけない」
と銀行担当者から説明を受けました。客単価の事やお酒の原価率の事なども全く頭になかったために何から手を付けていいか分からず途方に暮れましたが、それでも本などで調べながら少しずつ作成し、苦戦しながらも何とか経営計画書の完成に至りました。あまり出来の良い計画書とは言えないものにも関わらず、予定を大幅に超えて3週間書類作成にかかりっきりでした。


―融資が決定した勝因は何だったのでしょうか。

「融資の決定は、自己資金が豊富にあったことが大きく影響している」
と銀行担当者から言われました。
もともと私の場合、店舗取得費用や、内装工事費などをまかなえるくらいの自己資金を準備していて銀行の融資は運転資金に充てるつもりだったので、そこが評価されたのだと思います。


―開店前後の様子はいかがでしたか?

経営計画書に時間を掛けすぎ、開店までは時間の猶予がありませんでした。店舗の内装が終わると開店日まで3日というありさまで、大急ぎで備品を揃え、お酒の発注をし、メニューを作成してと、寝る暇もほとんど無い状態です。本当は広告やプロモーションも念頭にあったのですがとてもそんな余裕はなく、見切り開店状態でした。

開店してからも準備不足の影響は尾を引きました。後からあれこれ不足があって都度対応が発生し、もどかしさを感じました。
ただお陰様で運転資金の融資で資金面では多少の余裕があり、その面の精神的余裕があったことはありがたかったです。


―未経験から創業される方にアドバイスがあればお願いします。

未経験業種での創業は特に色々な面の苦労があると思います。経験値がないという実務上の苦労以外でも、融資基準のハードルが高くなるからです。未経験というハンデを補う出来るだけ多くの自己資金を準備したいところですが、充分に用意できなくても経営計画書をきっちりと作成することで多少のカバーはできます。

豊富な時間があり自分で調べて作成する自信のある方はそれも悪くないですが、私の経験談でもお分かりいただけるように、素人が一から調べながら作ると膨大な時間を要します。また一度きりの融資のチャンスをつぶさないよう、ここはしっかりとした専門知識をもった信頼できる方と一緒に作成した方が間違いないです。相談後に自分でできること、できないことを考えてみるのも良いと思います。

金融機関の選定も、本来はより多くの候補から自分に合った有利な融資の条件や今後のお付き合いを比較し、じっくりと行うべきでしょう。
私のように自分の知識と経験だけで選択肢を狭めずに、恐らく1度きりのご自分の創業を、余裕をもって楽しんで進めていただきたいです。私はいまバー経営を軌道に乗せて、大変なこともありますがとても充実した毎日を送っています。夢を叶えるために頑張りましょう!


―ありがとうございました。


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